南天 Written by 楠見 優太

ウイルス

教養

 ウイルスは人間の目では見えません。


 どこにいるかといいますと、遥か上空にも、海底の熱水噴出孔のような過酷な環境にもいます。つまり、どこにでもいるといってもよいでしょう。
 隕石や彗星によって宇宙から来るという説もあります。
 また、いわゆる天然のウイルスは存在せず、生物のエクソソームがそれであるのではないかという有力な説もありますし、細菌兵器としての人工ウイルスがあるとするものもあります。

 ここでは、天然のウイルスがあると仮定した場合について述べます。

 特定のウイルスに感染すると、人間は熱・咳・倦怠感など様々な症状が出て、死に至ることもあります。そういうこともあり、多くの人間はそのウイルスに敏感になり、感染しないように様々な手洗い・うがい・ソーシャルディスタンスなどにより対処を試みます。

 ところで、ウイルスはどのような目的をもって、この世に誕生し、存在しているのでしょうか。

 一説では、「増殖するため」と言われていますが、私は違うと考えます。
 なぜならば、ウイルスが増殖することを目的とするならば、時にウイルスによっては感染先の宿主を殺してしまうこともあり、そうなってくると増殖の目的が達成できなくなり、矛盾が生じるからです。


 なお、人を殺すために人為的に作成したウイルスがあるのではないかとの意見もあるでしょう。私も、それは可能性として十分あると考えます。
 しかし、そもそもウイルスは冒頭に述べたとおり、目に見えない小さな小さな存在であり、ウイルスにとって環境が整っていないと、ウイルスは存在できません。そして、「なぜ、そのような人を殺すためのウイルスが広範囲に存在し得ることが可能なのか」という視点に立った時に、「自然(ここでいう自然は、究極的な「実存(時間が経っても存在が無くならない)」)がそのウイルスを存在させるような環境を用意しているからではないか」という考えに至るのではないでしょうか。

 私は、ウイルスがこの世に誕生し、存在している理由は、「自然」が、そのウイルスによって生物(人間)の体を改造し、また、行動様式、思考、つまり社会を変化させるためであると考えます。

 どういうことかといいますと、ウイルスに感染すると抗体ができて免疫ができたといわれますが、それはある意味、体を改造しているといえるでしょう。
 また、ウイルスによる感染を避けるために、都市部から田舎にという人の流れが起きたり、人が屋内で過ごす時間が多くなり、あれこれ思索することができ、以前とは思考が変わる、という影響をもたらします。

 では、ウイルスの目的通りに、生物(人間)の体を改造し、また、行動様式、思考、つまり社会を変化させることができなかったら、どうなるでしょう。

 自然は、さらに強力なウイルス(致死率が高く、症状が重いもの)を誕生させ、これでもか、これでもかと、生物(人間)に悟らせるために、どんどん容赦なく働きかけてきます。

 したがって、天然のウイルスがあると仮定した場合、何を私たちに諭そうとしているのか、と考えて行動することが大切です。