ガソリン価格の高騰に思うこと
全国的に、ガソリン価格の高騰が続いています。
ガソリン価格は、いくつもの税が賦課されているので、価格は簡単には下がりません。
動画中の及川先生は、ガソリンに賦課される税について、まとめられた上で、ガソリン税を軽減するべきではないかという旨を主張されています。
これの動画を見て、私も、ガソリン税が軽減され、ガソリン価格が安くなれば、家計的にはありがたいなと考えた一方で、そうはならないだろうなと考えました。
それは、なぜかというと、これから数年間は、本気でインフレに持っていくという、何らかの思惑を日頃のニュースを見ていて感じるからです。
バブル崩壊以降の日本の経済構造は、安くで物を売るのが得意(需要に対して供給が多い)ため、デフレ基調が顕著です。日銀が異次元の金融緩和をしたところでも、大して、物価が上がることはありませんでした。
したがって、日本に本気でインフレを起こさせるためには、政策で、原料価格、特にガソリン価格を(企業努力でどうすることもできないほど)高騰させて、消費者へ転嫁させる必要があります(コストプッシュ型のインフレ)。
(インフレを起こす別の方法として、天変地異が起きたときに、復興に積極的に取り組まず、供給面を強制的に削減して、需要超過にするということもあり得ると考えますが、ここでは省略します。)
という考えから、繰り返しですが、ガソリン税の軽減はなく、高騰が続くだろうなと思っていた矢先に、以下のニュースがありました。
元売りには補助金は出すけど、小売りには補助金はないということを言っています。
補助金を出して、対策しているように見せる一方で、ガソリン税を軽減しないので、本気では価格高騰を抑えるつもりはない(インフレに誘導を続ける)という意図がよくわかりました。
ちなみに、大東亜戦争終戦前後の卸売物価上昇率は
昭和19年度 13.3%
昭和20年度 31.7%
昭和21年度 432.9%
昭和22年度 195.9%
昭和23年度 165.6%
昭和24年度 63.3%
昭和25年度 18.2%
となっています。
正確ではありませんが、単純に令和3年度のガソリン価格を170円/Lとして、令和3年度と昭和19年度を同様の卸売物価上昇率としてガソリン価格を計算すると(価格は小数第3位以下切り捨て)、
令和4年度 223.89円/L(31.7%上昇)
令和5年度 1,193.10円/L(432.9%上昇)
令和6年度 3,530.38円/L(195.9%上昇)
令和7年度 9,376.68円/L(165.6%上昇)
令和8年度 15,312.11円/L(63.3%上昇)
令和9年度 18,098.91円/L(18.2%上昇)
となります。
ということを考えると、数年後には令和3年のガソリン価格は安かったねという、思い出話になるでしょう。
インフレを前提に考える時代が到来しています。
【参考】
・(参考)債務残高対GDP比縮減の要因分析(累積寄与度の推移)資料Ⅰー1ー7
(財務省のウェブサイトより)