南天 Written by 楠見 優太

白菜の防除

雑談

 白菜を栽培していますが、完全無農薬で育てているために、頻繁にアオムシを中心とした虫が白菜につき、食い散らかそうとしているので、防除が欠かせない今日この頃です。

 防除に熱心に取り組んでいるせいか、寝ていると「お前は何をしているのか⁉」とはっきりと頭の中で問い掛けられ、「虫取りです!」というやりとりをした感覚に陥ったときもありました。

 さて、今日防除をしていると、フッと思い付いたことがありました。

 それは、私から防除される虫の立場からしたら、どうしたら防除されずに済むだろうかということです。

 私の場合、白菜についている虫を、白菜の葉を一枚一枚めくって探して、「こいつは、葉っぱをかじる虫だな」と判断したら、ピンセットで取れる虫は片っ端から取っています。

 したがって、虫の立場から防除されずに済む対策としては、「白菜を食べるのを止め、白菜以外の植物に移動する」に尽きます。

 隠れても、私は毎日防除していますので、いつか見つかってしまいます。

 もし、虫が私に対して防除しないでくださいと願ったとしても、可愛く見つめてきたとしても無駄です。私は徹底的に防除しますから。

 ところで、虫からしたら、美味しい白菜をたらふく食べて、防除されるときを堂々と待つという選択肢もありでしょう。

 いずれ、時が経てば、虫に限らず、生あるものには、確実に死が訪れるので、結果に差はありません。

 ただ死に方が違うだけです。

 美味しい白菜を食らいながら、幼虫のうちに訳がわからないうちにピンセットで潰されて死ぬか。
 蝶になって自由に飛び回って、広い世界を知った後で朽ちるように死ぬか。

 どちらが、正しいとか、悪いとかそんな話はありません。

 虫は何の比喩なのか。
 白菜は何の比喩なのか。
 虫を取っている「私」は何の比喩なのか。 

 そんなことろ考えると、興味は尽きません。